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法律知識のコーナー

債権法改正について

債権法改正について(1)

30.8.12現在

債権法改正とは

民法は、明治29年4月27日に制定され、明治31年7月16日に施行されています。
ところで、民法は、
第一編 総則
第二編 物権
第三編 債権
第四編 親族
第五編 相続
の五編で編成されています。

このうち、第一編から第三編までを財産法、第四編と第五編を家族法と呼ぶことがあります。

ところで、家族法については、昭和22年の日本国憲法施行にともない、旧憲法下の戸主制度など、古い身分制度が撤廃されたため、同年に大改正がなされました。
しかし、財産法編(民法の第一篇から第三編)はそのとき改正されず、明治時代に制定されたままの条文の大部分がそのまま残っています。

確かに財産法編は、
平成11年 成年後見制度の見直しによる第一編の改正
平成15年 担保・執行法制の見直しによる第二編の改正
平成16年 財産法部分の現代語化(それまでは、漢字カナまじり文)と保証制度の見直し
平成18年 法人制度改革に伴う第一編の改正
平成23年 親権制度の改正
が実施されましたが、いずれも小規模な改正でした。

けれども、我が国の社会・経済は、通信手段や輸送手段が高度に発達し、市場のグローバル化が進展し、あるいは著しく変化したことから、債権関係の諸規定もその変化に対応させる必要があります。

また、民法制定以来110年余りの間に膨大な判例法理が形成され、その中には、条文からは容易に読み取れないものも少なくありません。そのため、判例法理等を踏まえて規定を明確化する必要があります。

このようなことから、第二編の物権の改正は見送られたものの、国民の日常生活や経済活動とかかわりの深い契約に関する規定を中心に見直しを行うこととしました。
具体的には、第三編の債権の規定全般と、第一編のうち債権との関連が深い法律行為、消滅時効等の規定を対象とし、第三編の債権編のうちでもいわゆる法定債権、すなわち不法行為等の規定の見直しは最小限にとどめることにしました。

民法財産編のうち、主として改正が検討されたのは、以下の赤字部分です。

  1. 第一編 総則
    1. 第一章 通則
    2. 第二章 人
    3. 第三章 法人
    4. 第四章 物
    5. 第五章 法律行為
    6. 第六章 期間の計算
    7. 第七章 時効
  2. 第二編 物権
  3. 第三編 債権
    1. 第一章 総則
    2. 第二章 契約(売買・請負・・・・・)
    3. 第三章 事務管理
    4. 第四章 不当利得
    5. 第五章 不法行為(不法行為は、必要な範囲で検討する。)