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法律知識のコーナー

相続・離婚についての知識

離婚について(1)

弁護士が通常行う手順

(1) 相談

弁護士が、離婚について相談を受けた場合、戸籍謄本を用意してもらったうえで、@配偶者と知り合って結婚したいきさつ、Ⓐ結婚後の生活状況、Ⓑ離婚を決意した理由と事実関係、Ⓒお子さんの就学状況等、Ⓓ夫婦の収入、Ⓔ夫婦の形成した財産と負債、Ⓕ夫婦がそれぞれ相続等で取得した財産との区別などにつき、事情を聴取します。
その際、事前に依頼者から上記内容を記載したメモを用意してもらえれば助かります。

そして、事情聴取をもとに、@離婚原因があるか(たとえば浮気)、Ⓐ離婚原因を証明できるか(たとえば浮気を示すメールなど)、Ⓑ未成年のお子さんがいらっしゃる場合には、その親権についてどうするか、Ⓒ財産分与や慰謝料をどの程度相手方に請求するのか、それがどの程度認められる可能性があるのか、Ⓓ依頼者の離婚後の収入の見込みとの関係で離婚後の生活が成り立つのか、Ⓔそれでもやはり離婚が優先なのか、Ⓕ婚姻費用(自分の分の生活費)の請求をするのか、などを検討し、適時資料を集めながらアドバイスしていきます。

ところで、離婚で最も重要なことは、何を最優先事項とするのかを決めることにあります。

価値観は人それぞれで、金は一銭もいらないから、とにかく別れられればよいという人から、今後の生活のこともあるから、財産分与と慰謝料はできるだけ多い方がよい、あるいは子供のために絶対に別れたくない、という人まで、要望はさまざまです。それにどれだけ応えられるかが、弁護士の腕の見せどころです。もちろん、すべての要望に応えることは困難ですが。

とにかく未成年者の親権を取ることが最優先だという人もおられます。

あるいは、自分は別れたくないが、配偶者が離婚調停を起こしてきたという方もおられます。

離婚事件は、結局のところ、何を最優先にし、どのような方針で臨むのかを決めることが一番難しいところです。それだけに、弁護士としての経験、さらに言えば人生経験が最も必要な案件の一つとも言えるでしょう。