講演録のコーナー

1. （1）正式名称は，大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例（但し，大阪の場合です。）
2. （2）条例６条１項　「人を著しくしゅう恥させ，又は人に不安を覚えさせるような方法で，公共の場所又は公共の乗物において，衣服等の上から，端間直接人の身体に触れること」
   条例１６条「次の各号の一に該当する者は，六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
   二　第六条の規定に違反した者」

いわゆるちかん行為でも，刑法１７６条の「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」と評価されるようなものであれば，強制わいせつ罪に該当する可能性があります（６月以上１０年以下の懲役で，罰金刑はなし）

冤罪とは，無実であるのに犯罪者として扱われてしまうことです。
冤罪を免れるには，まず勾留を阻止することです。
弁護人としてまず取り組むのは，勾留の阻止です。

冤罪事件を阻止した一事例を紹介します。
弁護人として以下の行動を取り，無事釈放され，不起訴になりました。

・検察官に対する釈放の上申と説得
・勾留裁判官に対する上申書と面談
・勾留決定に対する準抗告
・準抗告審への上申書と面談
・勾留却下の決定
・在宅事件に持ち込み，不起訴処分

２０日間の勾留　→　その間の自白の強要　→　否認での起訴　→　その後も勾留が続く　→　仕事を失う　→　有罪の認定

1. （1）被害者の勘違い
   ・人違い　逮捕された人の背後の人が触っているが，女性が勘違いする
   ・勘違い　そもそも女性の身体に触れたのは，手ではなくバッグなど
2. （2）供述の信用性の違い
   捜査機関も裁判所も，被害者である女性の話には耳を貸し，信用するが，被疑者は弁解のために嘘をつくと思い込んでいる。
3. （3）９９．９％有罪の功罪
   ・裁判官は，被告人から嘘をつかれて被告人は嘘をつくものだと思い込み，無罪事件を見抜く気力を無くしている。
   ・無罪とした場合に待つ，検察官控訴と控訴審での逆転有罪を気にしすぎている。