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法改正のコーナー

民法(債権法)改正について

民法(債権法)改正について(24) 第37 雇用 第38 寄託 第39 組合 第40 その他

6 業務執行者がある場合における組合の業務執行(民法第670条第2項関係)
民法第670条第2項の規律を次のように改めるものとする。

(1) 組合の業務の決定及び執行は、組合契約の定めるところにより、一人又は数人の組合員又は第三者に委任することができる。
(2) (1)の委任を受けた者(以下「業務執行者」という。)は、組合の業務を決定し、これを執行する。この場合において、業務執行者が数人あるときは、組合の業務は、業務執行者の過半数をもって決定し、各業務執行者がこれを執行する。
(3) (2)の規定にかかわらず、組合の業務については、総組合員の同意によって決定し、又は総組合員が執行することを妨げない。」
(解説)

(1)は、組合の業務の決定及び執行を、組合契約に定めるところに従って、一人または数人の組合員に又は第三者に委任することができる旨を規定しています。
(2)は、業務執行の決定及び執行の委任を受けた者がいる場合の業務の決定と執行方法について規定しています。業務執行者が数人あるときには、その過半数で決定し、各業務執行者が執行することとしています。
(3)は、業務執行者がいる場合でも、総組合員によって組合の業務を決定し、または執行することができることを規定しています。

7 組合代理
組合代理について、次のような規律を設けるものとする。

(1) 各組合員が組合員の過半数の同意を得たときは、その組合員は、他の組合員を代理して、組合の業務執行を行うことができる。
(2) (1)の規定にかかわらず、業務執行者があるときは、業務執行者のみが組合員を代理して組合の業務を執行することができる。この場合において、業務執行者が数人あるときは、各業務執行者は、業務執行者の過半数の同意を得たときに限り、組合員を代理して組合の業務を執行することができる。
(3) 組合の常務は、(1)及び(2)の規定にかかわらず、各組合員又は各業務執行者が単独で組合員を代理して行うことができる。 」
(解説)

(1)は、組合員の過半数の同意により、他の組合員を代理して業務執行ができることを規定しています。
(2)は、業務執行者があるときには、業務執行者のみが組合員を代理して組合の業務の執行をすることができる旨を規定しています。
(3)は、組合の常務については、各組合員又は各業務執行者が単独で代理できる旨を規定しています。
いずれも、組合の対外的な業務執行に関する規律を明文化したものです。
また、代理行為ですから、代理に関する民法総則の規定が適用されるのは、当然のことです。

8 組合員の加入
組合員の加入について、次のような規律を設けるものとする。

(1) 組合員は、その全員の同意によって、又は組合契約の定めるところにより、新たに組合員を加入させることができる。
(2) (1)の規定により組合の成立後に加入した組合員は、その加入前に生じた組合の債務については、これを弁済する責任を負わない。 」
(解説)

(1)は、組合員が加入する要件として、組合員全員の同意か組合契約に定めるところによって行うことが規定されています。
(2)は、新たに加入した組合員は、その加入前に生じた組合債務については、弁済責任を負わない旨を規定したものです。

9 組合員の脱退
組合員の脱退について、次のような規律を設けるものとする。

(1) 脱退した組合員は、その脱退前に生じた組合の債務については、従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を負う。この場合において、債権者が全部の弁済を受けない間は、脱退した組合員は、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させることを請求することができる。
(2) 脱退した組合員は、(1)に規定する組合の債務を弁済したときは、組合に対して求償権を有する。」
(解説)

(1)は、脱退組合員が、脱退前に生じた組合債務について弁済責任を負うとともに、組合に担保を供させ、又は組合に対して自己に免責を得させるように請求することを認めています。
(3)は、組合の債務を弁済した組合員の、組合に対する求償権を認めたものです。

10 組合の解散事由(民法第682条関係)
民法第682条の規律を次のように改めるものとする。

「組合は、次に掲げる事由によって解散する。
(1) 組合の目的である事業の成功又はその成功の不能
(2) 組合契約で定めた存続期間の満了
(3) 組合契約で定めた解散の事由の発生
(4) 総組合員の同意 」
(解説)

682条の解散事由に加え、解釈上、当然に認められる解散事由を列挙しました。

第40 その他

その他の諸規定を整備するものとする。
(解説)

現在、民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案が、第189回国会に法案として提出されています。その詳細は、法務省のホームページで確認して下さい。

以上