NITAの研修もブレインストーミングから始まります。検察官・弁護人の立場から、有利な証拠、不利な証拠をすべて拾い上げ、上位のいくつかを選択するのです。
そこから、無理のないケースセオリーを組み立てる必要があります。
ケースセオリーとは、当事者の一方からする事件についての説明です。
ケースセオリーは、
①当事者の求める結論を論理的かつ法的に導くもの
であり、かつ
②すべての証拠を説明できるものであって、その説明に矛盾がないもの。
でなければなりません。
ケースセオリーは、
①被告人にとって不利な証拠の説明もできるものでなければならない。
②そして、その説明は、他の証拠についての説明と矛盾しないものでなければならない。
さらに
③その説明は常識に合致したものでなければならない。
のです。
そして、ケースセオリーは、ほとんどの場合、何があったかを時系列に従ってストーリーとして語ることができるのです。
しかし、例外的に、論点ごとに説明するほうが適切な場合もあります。
事実認定者は、「本当は何が起こったのか」についての当事者の説明を知りたい、という欲求を持っています。当事者はできる限り、この期待に応えることのできるストーリーを語るべきであると思います。
特に、裁判員裁判では、ケースセオリーをもとにした反対尋問でないと、弁護人が反対尋問で聞いている意味そのものがわからないと思います。ただ、証人にこちらの手のうちがばれてしまうおそれもありますが…
→テーマを設定し、これを繰り返し裁判員に印象づける。
1つの問いで一つの事実しか聞かない。
重要なところは繰り返す。
時系列で一通り聞いた後、ディテールを聞くと重複にならない。
ループクエスチョンも有効。
ビジュアルエイドを使う。
弱点も説明する。
しかし、尋問の途中で。最初と最後で聞くと、印象が強く残ってしまうから。